在学中 ・ユングの向性とタイプ
———ユングの「タイプ」と「人格の形成」
ユングが人格の基本的態度(もしくは一般的態度)(basic attitude)としてまず、「内向(introvert)」と「外向(extrovert)」に目をつけたこと、このことはよく知られているようだ。この2つの対比が、フロイトとアドラーとを対比した分析によるものとは僕も知らなかったが。
そしてさらにユングは4つの心理機能を座標軸として設定し、この4つの心理機能それぞれに内向と外向があることから、計8つのタイプを考え出している。
4つの心理機能は右の図2のように思考(知的に判断する)感情(好き嫌いのように判断する)感覚(刺激をそれとして的確に受け入れる)直観(刺激の背後にある可能性を受け入れる)に分けられる。ここに一応4つの心理機能についての説明もしてみたが、詳しくは、河合隼雄著「ユング心理学入門」(培風館)(1967年)p.37〜p.63「3章 タイプ」に譲る。
そして4つの心理機能のどれに主に頼るかによって、その人の「タイプ」を見つけ出そうとしている。たとえば思考的直観型の人は右図3のようになる。ユングは無意識と意識の対比も考えているので劣等機能が主機能を補償する傾向についても考えている。
さて、こうしてユングの「タイプ」はこうこうであるが、この知見をどうすべきか。また彼も実際にどう考えていたのか。それは次のようである。
内向的な人に外向的な生き方を強制させてはいけない。また思考が主機能な人に感情を重視させようとしてもそれは無理が来る。図3のような4つの機能の図がそれぞれの個人について描けたとして、それが描けたならば、主機能と補助機能の発達を心がけながら、劣等機能をも開発していくことである。すなわち、元としてある、どの機能に頼るかという傾向(個性)はそのままに全ての機能を発達させることである。
それがユングの「タイプ」から見た「人格の完成」だろうと僕は思う。
見てみて真似る やってみて真似る
あさのおかぎり 真似る良い子は すくすく育つ
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